天山本草の話

天恵の栽培環境地域である佐賀県で直接栽培する天山本草の主要品種を紹介します。
『天山本草』は佐賀県に位置した天山で栽培される植物を意味します。

天麻の人工栽培

日本で初めて天麻の大量人工栽培に成功しました。
天麻は医薬品と規定された生薬で製薬会社に販売する予定です。

A. 天麻の概要

1. 名称

[植物名] オニノヤガラ(鬼の矢柄)
[学名] Gastrodia elata Blume (Gastrodia R. Br.)
[漢方生薬名] 天麻 [テンマ]
[別名(異名)] 赤箭、 石箭、 神草、 明天麻

2. 天麻の分類

植物界 Plantae
 被子植物門 Magnoliophyta
  単子葉植物綱 Liliopsida
   ラン目 Orchidales
    ラン科 Orchidaceae
     オニノヤガラ属 Gastrodia
      オニノヤガラ
       シロテンマ
       アオテンマ
Gastrodia elata
Gastrodia elata Blume f. pallens (Kitag.) Tuyama
Gastrodia elata Blume f. viridis (Makino) Makino ex Tuyama

3. 分布地域と生育環境

日本では北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の樹林下、湿原に自生する。アジアでは中国と台湾,韓国に分布する。木材腐朽菌であるナラタケ (複数種の総称本州の11ヶ所より採取したオニノヤガラ塊茎から分離した11菌株のうち8株がArmillaria gallica、2株がA.nabsnona、1株が A.cepistipes であった)と共生する。

4. 形態的特徵

腐生植物であり、光合成を行わず、葉緑素を持たない。地中の塊茎は長さ10cm前後の楕円形で、表面には多くの節がある。
茎は直立し、帯黄褐色で、高さは40-100cmになり、円柱状の茎に膜質の鱗片葉をまばらにつける。花期は6-7月で、黄褐色の花を茎の先端に 20-50個総状につけ、下方から開花していく。花は3萼片(外花被片)が合着して壷状になり,中に2個の側花弁と卵状長楕円形の唇弁がある。

B. 漢方古書による天麻の考証

天麻は東洋で3,000年前から使われている貴重な一級薬剤資源で漢方では地中の塊茎を高血圧、脳卒中、不眠症、驚気(驚風)、頭痛、めまい、中風、神経性疾患の予防と治療用で利用している. また糖尿病などの成人病と肝の機能促進、疲れ、ストレス解消と学習能力と記憶力の増加にも効果がある.
特に昔から中風など脳神経系統の薬草では最高位だとした。正風草、赤根、 鬼督郵、 難母、 神草という名前とも呼ばれる。

1. 天麻の性味

天麻の性味は甘くて性質は平し、暖かくて毒がない. 帰経は肝、脾、腎、胆、心経に作用する。

2. 天麻の主要成分

gastrodin、Ergothioneine、 Vanillyl alcohol、 4-hydroxybenzyl-alcohol、β-sitosterol、 daucosterol、citric acid、 methyl ether、 palmitic acid、 sucrose、 4.4'-dihydroxypenylmethane、4.4-dihydroxydibenzylether、 4-ethoxymethylphenyl、 3.4-dihydroxybenzaldehyde、4-ethoxymethylphenyl-4'-hydroxybenzylether、を含有。

3. 漢方処方例

沈香天麻湯、半夏白朮天麻湯、天麻丸、加味天麻湯、枸杞天麻湯、追風去痰丸、香保命丹、神仙解語丹。

4. 古医書の記録

古医書名 內用
郷薬集成方 性味は辛くて性質は平、毒がない. 風湿によったさまざまな麻痺症、手足が縮む時、子供の 風癇病、よく驚くことを治療して腰と膝を柔らかくして筋力を高めてくれる. 継続して食べれば元気が出て身が軽くなって長生きする
本草綱目 天麻を他の名前で赤箭芝、または 正風草と言う. 性味は甘くて性質は性平する.
冷え症やさまざまな麻痺症、手足麻木、多弁症、驚風などを治療する.
気味薬性論 天麻は性質が冷たい.熱毒と疥癬(皮癬)に幹と葉を搗き碎いて付けて、また種子で飯を炊いて食べれば 熱毒が消える. きしべで育って麻鞭草に似ていたし、節節に紫色花が咲いてケイトウ(鶏頭)のような種ができる.”
陳藏器 性味は甘くて性質は温かく、陽気を助けて五労七傷を補して鬼疰(人染着神鬼謂之鬼病)、虫毒をなくす.また血脈と関竅をよく通じるようにする.食べる時禁ずることがない.
薬品化義 肝臟と胆嚢を丈夫にさせて中風を治療する.
日華子本草 春に芽が出るのに芍藥花芽のようで幹は2∼3尺であり、矢柄に似ていて、赤く輝く.そのため赤箭と呼ぶ. 幹の中は空いたし葉はちょっと尖ったようで小さな葉の半分以上が幹に付いている. 細い幹さきに穂模様の花が咲いて 豆みたいな種ができる、塊茎の模様は真桑瓜を似ていたし10∼20個が引き続き大きいのは重さが200〜400gもなる.皮は白い黄色で白龍皮といますし、塊茎を天麻と言う. 旧暦2∼3月と5∼8月に採集して皮をむいて沸いているお湯に煮って、日乾して使う。
道経 性味は辛くて性質は平する.肝驚(癇痙,驚風)に作用する. 痙攣、肝陽(肝風内動)、風湿(風邪、湿邪で生じた病症)をなくす. 薬理実験で鎭痙(鎭驚)、鎭定作用、鎭痛作用、めまい、頭痛、痙風(痙証)、癲癇(癇疾、癇病、風眩)、中風(風、偏枯、風痺)で言語障害、手足麻木に使う. 神經衰弱症(neurasthenia)にも使う.一日 6∼9gを湯、錠剤、粉末形態で食べる。
東医宝鑑「湯液編」 すべての虚と乱れている症勢に天麻でなければ治療しにくい. 虚弱で生じて乱れた症には天麻ではなければ治療することができない.また中風の治療に卓越な效能がある.天麻は脳血管系統に最高の神薬といえる.筋と骨を丈夫にして腰と膝を元気にさせる。
中薬大辞典 中風(風疾)を鎮めて癇痙を落ち着かせる効能がある。
神農本草経 長く服用すると、気を助けて人を丈夫にする。
開宝本草 手足が縮みあがるを防ぎ、腰とひざを 丈夫にする。

C. 天麻栽培現況

1. 天麻の栽培

栽培場所 佐賀県の地域内
栽培方法 地中埋沒段木栽培法
栽培品種 オニノヤガラGastrodia elata Blume(下位品種アオテンマか包含)
植栽種菌 ナラタケ属の菌糸(Armillaria 属tabescens菌株)
種菌培養 種菌2,000個を製造して26℃から60日間培養後使用
使用原木 クヌギ (佐賀県内から伐木/60CM長さの8,000本)
植栽種いも オニノヤガラの有性繁殖の種いも
生理的特性 ※発芽段階 : ※生育段階 : ※生育累積温度 :
土壤要求度 ※土性 : ※酸度 : ※含水量 :
栽培地 露地栽培

2. 栽培過程の姿


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